イラストレーターおぐらみどりの日々雑記


by yama-humoto
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

読むべき時期や土地

d0179044_15585827.jpg住んでいる集落はもともと風が強い。そこにこの寒波。昨夜からの風で外に出る戸が凍り付いて開けられない。サッシの間の隙間から雪が吹き込んでいる。
d0179044_15584451.jpg
開けた戸がこんどはきっちり締まらない。屋根の雪の重さのせいみたいだ。開けたままにしておいたら、小さいお客が入り込んだみたいだ。
ネズミのあしあと。
ちいさな丸太の上に乗って、伸び上がって臭いをかいでいた姿を思うとちょっと可愛い。
d0179044_15582767.jpg
吹き付ける風で、窓は再び凍りついている。
結晶の星々が浮き上がる。
d0179044_15581114.jpgまったく外出ができず、買い出しにも行けない。まさかこんなにひどい天気になるなんて。
仕事も一段落し、でもなにかする気力もわかず、久しぶりに本を読んでみた。ここに来てから、なにかしらやらなくては行けない事が時間制限付きであるので、なかなかゆっくり本を読む気になれないでいた。もう、なにもできないし、やらなくていい…という時間が久しぶり。
トーベ・ヤンソンの小説を読み返してみた。トーベ・ヤンソンはムーミンの作者。原作は好きだけど、日本でキャラ化されたムーミンは好きではないな。あの作品の独特の暗さとかそういったものが、日本のアニメではほのぼのさせてしまっている気がする。ヤンソンしか生み出せない不思議な世界は原作でしか味わえない。
「誠実な詐欺師」は北欧の暗い雪の朝から始まる。
「ここひと月、この海辺の村は降りしきる雪にみまわれていた。記憶をさかのぼっても、これほどの大雪がふったことはない。扉や窓に吹きよせ、屋根にずしりと重く、片時もやむことなく落ちてくる。雪かきするそばから、道はすぐまた白く覆われる。〜(中略)もはや朝もこないのだ。まっさらな雪の下、村は音もなく横たわる。」…なんだか今のここの暮らしと重なり、どんどん読み込む事ができた。
東京で読んでいた本だけれど、電車の中やスタバで読んでいた。北欧の冬の暗さ、厳しさ、鬱屈とした暮らしは正直ピンと来ていなかった。
今、ここで、この天気の元、読んでいるとまるでとても近い土地の話のようだ。
読むべき時期や土地ってあるもんだなあと、薪ストーブにあたりながら思った。
[PR]
by yama-humoto | 2013-02-23 15:57 | 日々