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イラストレーターおぐらみどりの日々雑記


by yama-humoto
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部落の草刈り

草刈りの内容の回覧板が来る。
朝7時30分にセンター集合。用意するもの、なるべく草刈り機(なければ鎌で)。

草刈り機は納屋にあったが、まだ使い方も分かっていない。ズブの素人がいきなりこんなもの持って行ったら、“使えるんだ”と間違われて、高度な場所に配置されないとも限らない。
ここは新参者らしく、二人で鎌を持って行った。
センターには続々と機材を積んだ軽トラが集まって来て、ちょっと緊張。
みんな集まった所で、部落長が我々を紹介してくれた。

それぞれの持ち場に散って、作業を開始。
私たちはかあさんたちと一緒に公園の草刈りをすることに。
鎌でちょいちょいやってる傍らで草刈り機や芝刈り機がぐわ〜んと来て、あっという間に刈り取っていく。
機械が苦手そうなコンクリの近くや階段のスギナなどをむしる取る。
作業しながら、どこから来た?とか山菜はもう食べたのか?など声をかけられ、嬉しかった。
問わず語りで、ずっとこの辺りの事や私たちの元々の住人だった人の話を聞けた。
ネイティブなままだったので、多分話しの3〜4割しか理解出来てなかったかもしれないけど。
そのかあさん(おばさんとかおじさんのことを、この辺では“かあさん”“とうさん”と呼ぶみたい。若い女の人からおばあさんまで、「おかあさん!」ではなく“かあさん”って呼ぶのが、なんかいいなあと思う。)は我が家の元の住人と同級生だったそうだ。結婚して湯沢のほうにいって、子供が小さいうちに亡くなってしまったとか。
たびたび「タバコ」になる。「タバコ」=休憩の意。
地べたに座って、かあさんたちの話を聞いていた。
若い人たちはやはりどんどんショッピングセンターの近い住宅地に行ってしまうそうだ。
スーパーの夕方になると値引きされるものが変えるのを羨ましがっていたのが可愛かった。
ずっと緑の多いこんな山にすんでいても、やっぱり自然が好きで、車で移動中にも花や紅葉などが綺麗だとついつい見入ってしまう…なんて話もきけた。でも、やっぱりみんな不安に思っているのは老後の事だそうだ。
体力のある若者が住みやすい街に行き、体力の無いはずのお年寄りの方がこの山里で暮らしている不思議。便利にモノが手に入らない環境で、自分たちで作って来たお年寄りの方がよっぽど強いと思う。
以前、雪が深い頃にこの村に来た時、背中が丸まったおばあさんが一人で雪かきをしている姿がなんだか神々しく見えた。自分もああなれるのだろうか…?と思いながら。(絶対無理だけど)。
自然と戦いながらの暮らしは都会に比べて格段に辛いかもしれないけれど、とても人間に近くなる気がする。
午前中で草刈りは終了。飲み物とお菓子をもらって、家路についた。
by yama-humoto | 2010-07-04 19:19 | 日々